「布川事件」の桜井昌司さんをしのぶ会 再審法改正訴え 東京

56年前に茨城県で起きたいわゆる「布川事件」の再審=やり直しの裁判で無罪が確定し、ことし8月に亡くなった桜井昌司さんをしのぶ集会が都内で開かれ、出席した妻が、再審に関する法律の改正を訴えました。

桜井昌司さんは、1967年に茨城県利根町布川で男性が殺害されたいわゆる「布川事件」で無期懲役の判決を受けましたが、44年後の2011年に再審で無罪が確定し、ことし8月、76歳で亡くなりました。
23日は都内で日弁連=日本弁護士連合会が桜井さんの追悼集会を開き、この中で布川事件の弁護団のメンバー、谷萩陽一弁護士が「裁判所の再審決定に検察が2度も抗告したことで長期化を招いた。再審でも検察は再び有罪を立証する姿勢で進めるので、現状の制度では無罪につなげることが難しい」と述べました。
また、桜井さんの妻の恵子さんも再審に関する法律の改正を求めてスピーチを行いました。
集会の後、恵子さんは「えん罪被害者を支援する活動を続けていた夫の思いを引き継ぎ、私自身も再審法の改正に向けて活動をしていきたい」と話していました。