浸水被害の日立市役所庁舎は建設時に川氾濫を想定せず 茨城

茨城県日立市は今月8日の記録的な大雨で近くの川があふれて市役所が浸水する被害を受けたことについて庁舎を建設した際、川があふれることを想定した対策をとっていなかったことを明らかにしました。

日立市役所は記録的な大雨で近くの川があふれて浸水する被害を受け地下の電源設備が水につかって停電し災害対策本部を移転したり、庁舎の電話回線の一部が通じなくなったりする影響が出ました。
日立市は28日行われた小川春樹市長の定例会見で浸水の原因について東日本大震災で被災した旧庁舎を建て替えた際、地下への浸水対策としては川があふれることを想定した対策をとっておらず、雨水を排水するためのポンプしか設置されていなかったと明らかにしました。
また、何らかの理由で、ポンプも機能しなかったということです。
小川市長は、「庁舎建設までにどんな議論があったかも含めて検証して対策をとりたい。今回のような大雨でもどうすれば市民を守れるかしっかりと対策を練りたい」と話していました。
日立市は、今回の大雨に関連して庁舎の浸水対策や河川の応急工事費用など30億円余りを盛り込んだ補正予算を専決処分し、復旧や検証を進めることにしています。
また、市内を流れる河川のうち60%近い39の河川が氾濫しこのほとんどが市の管理する中小河川だったことから市の管理する河川の治水対策計画を今年度中に策定する方針です。