工業地域の労働災害 軽度なけがは地域医療機関で受け入れを

茨城県の鹿島臨海工業地帯で起きた労働災害のうち、軽度なけがについて地域医療機関で受け入れを進めてもらおうと、医師らを対象にした研修会が開かれました。

これは神栖市が鹿島臨海工業地帯で起きた労働災害のうち、軽度なけがの受け入れを進めてもらおうと今月22日に開いたもので、地域医療機関の医師や工業地帯の企業関係者など30人余りが参加しました。
研修会では、おととし、鹿行地域で発生した労働災害の緊急搬送84件のうち、神栖市内での受け入れは39%にあたる33件にとどまっていたことが紹介されました。
一方、実際の症状は作業中の熱傷など軽傷が43件で過半数を占めていることから、地域の医師に対して労災の患者を積極的に受け入れるよう呼びかけていました。
出席した50代の男性医師は、「クリニックレベルでは把握できない、神栖特有の事情を知ることができて勉強になった」と話していました。
神栖市の藤枝昭司地域医療対策監は「軽傷の労働災害を市内で受け入れられていないという反省がきっかけでした。産業都市にふさわしい医療環境に向けて関係者で力をあわせていきたい」と話していました。