「弘道館」建物にアライグマが頻繁に出没 侵入防止対策を検討

水戸市にある水戸藩の藩校だった「弘道館」で国の重要文化財に指定されている建物にアライグマが頻繁に出没していたことがわかり、茨城県は、侵入防止対策を検討することにしています。

県によりますと、水戸市にある水戸藩の藩校だった「弘道館」の国の重要文化財に指定されている「正庁」や「至善堂」で、ことし6月、天井から動物のようなものの足音がするのを職員が確認したほか、建物の外側に動物の爪痕のようなものが見つかりました。
こうしたことから、「正庁」の近くにカメラを設置したところ、7月になりアライグマが建物の軒先の柱をつたって降りる様子が撮影されたということです。
県は、アライグマが天井裏などに入り込んでいた可能性があると見ています。
アライグマは、かむなどして人にけがをさせたり、建物に住み着いてふんなどの害を起こしたりすることもあり、県内では昨年度、3000頭余りが捕獲され、3年前の3倍に急増しています。
県は、敷地内にわなを設置し、7月中旬1頭を捕獲したということですが、引き続き注意が必要だとして、建物を詳しく調べた上で、中に入り込まないようにすきまをふさぐなどの対策を検討することにしています。
県偕楽園公園課は「大切な文化財を守るため、今後、具体的な方法を検討しながら適切に対応していきたい」としています。