茨城県の最低賃金 42円引き上げられ時給953円の見通し

茨城県の最低賃金について、県内の労使の代表などで作る茨城労働局の審議会は7日、答申を行い、県内の最低賃金は国の審議会が示した目安より2円高い42円引き上げられ時給953円となる見通しとなりました。
引き上げ額は時給で最低賃金が示されるようになった2002年度以降、最大です。

最低賃金は企業が労働者に最低限支払わなければならない賃金で、厚生労働省の審議会が示した目安に応じて、都道府県で実際の引き上げ額について議論が進められます。
茨城県の引き上げ額の目安は40円で、労使の代表などでつくる茨城労働局の審議会は7日、議論を行いました。
その結果、現在、時給911円となっている茨城県の最低賃金を目安より2円高い42円引き上げ、953円とする案がまとめられ、審議会が茨城労働局に答申しました。
労働局によりますと、引き上げ額は前年度の32円を上回り最低賃金が時給で示されるようになった2002年度以降で最大です。
審議会では物価の高騰による生活への影響を重視したほか、消費者物価指数などを元に試算した結果、目安より2円高い引き上げ額とすることで、実質賃金がマイナスになることを回避できるとしています。
新しい最低賃金は異議申し出を受け付けたあと、ことし10月1日から適用される見通しです。
茨城地方最低賃金審議会の清山玲会長は「周辺の自治体と比較して茨城県の実情を考え42円という引き上げ額を提案した。中小事業者にとっては非常に厳しい引き上げだと強い懸念が示されたが、事業者への支援制度をより使いやすく改善してほしいという意見も出された」と話していました。
一方、答申を受けて茨城県の大井川知事は「県ではこれまで、最低賃金に経済実態を反映するとともに、近隣他県との格差是正に向けた積極的な最低賃金の引き上げが行われるよう、理解を求めてきましたが、今回の結果は近隣他県との格差是正に配慮されたものとは考えておらず、極めて遺憾です。県としては今後も引き続き、最低賃金の積極的な引き上げについて関係機関に対し働きかけを行ってまいります」という談話を発表しました。