ひたちなか海浜鉄道 昨年度利用客最多 収支は3年連続赤字

茨城県ひたちなか市の第3セクター、ひたちなか海浜鉄道の昨年度の利用者は111万人余りと、これまでで最も多くなりましたが、運賃収入では通学客以外の観光客などの利用が新型コロナの感染拡大前の水準に回復せず、3年連続で赤字となりました。

ひたちなか海浜鉄道によりますと昨年度、海浜鉄道の湊線を利用した人は111万6000人余りと、前の年度と比べて3万人ほど増え、2年連続で過去最高を更新しました。
おととし沿線に開校した地元の小中一貫校の通学客の利用が進み、国営ひたち海浜公園や那珂湊おさかな市場への観光客の利用が増加したため、利用客が増えたということです。
一方で、昨年度の収支はおよそ1400万円の赤字となりました。
赤字となるのは3年連続です。
通学客が増えたものの、収入の中心となる観光などの利用客が、新型コロナの感染拡大前の水準に回復しなかったことが大きく、2019年度と比べて3000万円ほど少なくなりました。
ひたちなか海浜鉄道では、いまの終点である阿字ヶ浦駅から国営ひたち海浜公園の西口付近までの3.1キロを今後、延伸する計画ですが、着工に必要な国による許可の申請期限が2回延期されていて、当初予定していたことしの開業は遅れる見通しとなっています。
ひたちなか海浜鉄道は「新型コロナの影響がまだ残っているものの、回復の兆しが見えてきた。観光客や沿線で行われるイベントの来場客を取り込み、収支を改善させたい」としています。