原子力施設「J−PARC」電源装置から出火 けが人なし

22日未明、茨城県東海村にある原子力施設「JーPARC」で、放射線管理区域にある電源装置から火が出る火事がありました。
火はまもなく消し止められ、放射性物質が漏れるなどの影響はなかったということです。

高エネルギー加速器研究機構などによりますと、22日午前1時ごろ、茨城県東海村にある原子力施設「JーPARC」で、実験の準備のため装置を運転していたところ、放射線管理区域にある「ハドロン電源棟」と呼ばれる建物の火災報知設備が作動したということです。
職員が駆けつけたところ、電源装置から炎と煙が上がっているのを見つけたため、消防に通報するとともに消火器で初期消火にあたり、火はまもなく消し止められたということです。
火事によってけが人や放射性物質が漏れ出したおそれはなく、周辺で放射線量を測定するモニタリングポストの値にも変化はなかったということです。
「J−PARC」は加速器と呼ばれる設備などで発生させた素粒子などを使ってさまざまな実験を行う施設です。
施設側は、消防とともに詳しい状況や出火の原因などを調べていて、今後、茨城県に報告することにしています。
施設の電源棟を管理する高エネルギー加速器研究機構は22日午後記者会見を開きました。
このなかで、J−PARCセンター素粒子原子核ディビジョンの澤田真也副ディビジョン長は、「4月にも施設内で火災があったばかりで周辺の皆さんに対し、不安を与えてしまい申し訳なく思っている。できるだけ早く原因を究明して対策を行い、再発防止に万全を期したい」と述べました。