浸水被害の茨城県取手市双葉地区 自動車の無料貸し出し支援


ことし6月の大雨でおよそ600棟が浸水する被害を受けた茨城県取手市の双葉地区で、13日から新たな支援が始まりました。それは、車が動かなくなったり、片付けに車が必要になったりした人に無償で車を貸し出す取り組みです。

(NHK水戸放送局 藤原陸人記者)

【被害を受けたのは住宅だけではない】
取手市の双葉地区では、今月2日からの大雨でおよそ600棟が浸水しました。被害にあったのは、住宅だけではありません。多くの車も水につかり使えなくなり、買い物や生活に影響が出ました。

【車の無料貸し出しサービス開始】
こうしたなか、双葉地区では無料で車を貸し出す支援が、13日から始まりました。始めたのは、宮城県の一般社団法人「日本カーシェアリング協会」です。
13日は事前にホームページや電話で予約した住民たちが地元の自治会館を訪れ手続きを済ませると、近くの駐車場に並んだ車を借りていました。

借りた住民の1人が会社員の始関蓮さん(24)です。始関さんは自宅が床上浸水する被害があったほか、乗用車も水につかったため廃車しました。通勤で使っていた車が使えなくなり、自宅から駅までおよそ30分歩いていたといいます。

(始関蓮さん)
「これから暑くなりますし、歩くのと車で移動するのは全然違います。買い物とか通勤とかに使いたいと思います。とてもありがたいです。」

車を借りた始関さんは、さっそく、自宅まで運転し、乗り心地を確かめていました。

(始関蓮さん)
「悪い点もなく、小回りもきいて乗りやすいと思います。」

また、双葉地区で高齢の両親と暮らしている田中賢太郎さん(48)も、車を借りました。
田中さんは、今回の大雨で住宅が床上浸水し、車も被害にあって手放すことになりました。週に2から3回の頻度で車で向かっていた買い物も、徒歩やバスで向かっていたといいます。

(田中賢太郎さん)
「本当に車があってありがたいです。重い荷物をいっぱい買い込んでも車で運べるので非常に助かっています。」

【予約は電話かホームページで】
今回貸し出しを始めた「日本カーシェアリング協会」は、東日本大震災をきっかけに活動を始め、被災地に車を貸し出すなどの活動をしています。2015年の「関東・東北豪雨」では、茨城県常総市で車の貸し出しを行いました。今回の大雨では、軽自動車、乗用車、軽トラックの計およそ20台を準備しているとうことです。

(一般社団法人 日本カーシェアリング協会 吉澤武彦代表理事)
「通勤にも片付けにも買い物にもお困りだという話を地域の皆さんがしていました。生活の再建に少しでも力になれたらうれしいです。」

軽乗用車、普通車は貸し出し期間のことし10月31日まで、1か月ごとの更新で借りることができるほか、軽トラックは1日単位で期間中何度でも利用することができるということです。
ガソリン代などは自己負担ですが、貸し出し自体は無料です。
利用するには事前の予約が必要で電話かホームページで受け付けています。
電話は、080−9635−4100です。
(午前10時〜午後4時)