点字ブロックにスマホかざすと音声で道案内 つくばで実証実験

視覚に障害のある人の電車とバスなどの乗り換えが便利にできるよう茨城県つくば市の駅やその周辺で点字ブロックにスマートフォンをかざすと道案内の音声が流れるシステムの実証実験が行われました。

実証実験は、つくばエクスプレスのつくば駅や周辺のバスターミナルで行われ聴覚や視覚に障害がある学生のための国内唯一の国立大学、筑波技術大学に通う学生5人が参加しました。
視覚障害のある学生たちは、バスを降りて電車に乗り換えるという設定で、バス停にある点字ブロックに記されたQRコードを読み込むと、目的地の候補が音声で読み上げられました。
学生たちが駅のホームを目的地として選び、スマホをかざしながら歩き出すと、点字ブロックに記されたQRコードが次々と読み込まれ、音声でホームまでの道が案内されていきました。
案内では、「直進10メートル」といったルートのほか、階段の段数や、点字ブロックが途切れているという情報も伝えられていました。
参加した1年生の学生は「アプリの道案内もわかりやすくてあまり知らない場所でも移動できました」と話していました。
また、4年生の学生は、「点字ブロックが設置されているだけだと、どこにつながっているかを誰かに教えてもらう必要がありますが、このアプリは使いやすくて、初めてのところに1人で行っても労力を少なくして移動できると感じました」と話していました。
実験を行ったつくば市と、つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道などによりますとQRコードとスマートフォンを組み合わせて音声で道案内をするシステムは都内などですでに導入されていますが、複数の公共交通機関をまたぐ形での取り組みは珍しいということです。
首都圏新都市鉄道の島貫浩課長は「バリアフリーを進めてより多くの人に利用してもらうため、効果や安全性を検証して導入を検討していきたい」と話していました。