“労働組合員を理由に不当な差別”訴えを一部認める判決
JR東日本水戸支社の労働組合「動労水戸」と組合員らがJR東日本を相手取り、組合員の待遇を差別し続けたとして2億円余りの損害賠償を求めていた裁判で、水戸地方裁判所は24日、原告らが組合員であったことを理由に不当な差別があったなど、原告の訴えを一部認める判決を言い渡しました。
「動労水戸」とその組合員たちは12年前、JR東日本を相手取り、動労の組合員を差別していたことを認める判決が最高裁で確定したにも関わらず、組合員に対し運転士の資格があるのに運転士として登用しない、昇進試験の合格を認めないといった差別を続けたとして、運転士として働いた場合の手当や慰謝料など合わせて2億円余りの損害賠償を求める訴えを起こしていました。
24日の判決で水戸地方裁判所の阿部雅彦裁判長は、「被告が原告らを運転士として登用しないでいたことは、もっぱら原告らが動労水戸の組合員であったことを理由とする不当な差別として、社会通念上許されない違法な行為だ」などとして、JR東日本に対し、原告12人に慰謝料としてそれぞれ200万円を支払うよう命じました。
また、差別によって動労水戸の組合員が脱退したり、新たな加入者を得るのが難しくなったりといった損害が生じたとして、動労水戸への賠償金として150万円を支払うことも命じました。
一方、そのほかの昇進試験で差別的な扱いを受けたといった訴えは、棄却されました。
判決後、原告の1人である動労水戸の木村郁夫執行委員長は「組合員への差別があったことが認められたのは評価したいが、訴えが認められなかった部分もあり、今後についてはみんなで話し合って判断していきたい」と話していました。
一方、JR東日本水戸支社は、「判決の内容を詳しく検討して、控訴も含めて対処していく考えである」とコメントしています。