水戸京成百貨店が助成金3億円余不正受給 労働局が返還命令
水戸京成百貨店が国の「雇用調整助成金」など3億円余りを不正に受給していた問題で、茨城労働局は今月20日付けで百貨店への助成金の支給を取り消し、返還を命じる処分を行ったと発表しました。
水戸京成百貨店は、新型コロナの影響を受けた企業などに支給される「雇用調整助成金」などあわせて3億600万円余りを不正に受け取っていました。
百貨店によりますと、取締役の総務部長の指示で総務部の社員が勤務データを改ざんし、従業員の出勤日を休業日扱いにするなどして助成金を申請していたということです。
茨城労働局は、調査の結果、3年前の5月から去年10月までの間、百貨店がうその申請書類を作って助成金を不正に受給していたことが確認されたとして、今月20日付けで助成金の支給決定を取り消し、10億7000万円余りを返還するよう命じたと発表しました。
労働局はさらにペナルティとして不正受給額の2割に相当する額と延滞金も請求し、28日までに全額が返還されたということです。
また、茨城労働局は百貨店に対し、今後5年間は雇用関係の助成金を申請できなくなる処分も出しました。
水戸京成百貨店は取材に対し、返還した額はペナルティなども含めると13億4000万円あまりだったことを明らかにし、親会社の京成電鉄から融資を受けたとしています。
労働局から処分を受けたことについては「社内のコンプライアンス体制を再整備するなどの再発防止を講じて、お客様に安心して買い物をしていただけるよう信頼回復に取り組んでまいります」とコメントしています。
水戸京成百貨店が国の「雇用調整助成金」など3億円余りを不正に受給し、茨城労働局から処分を受けたことについて、茨城県の大井川知事は「甚だ遺憾である。県内唯一の百貨店であり、地域経済における役割は極めて大きい。地域に根ざした商業施設としての責任を自覚し、しっかりとコンプライアンスに努めてもらいたい」というコメントを発表しました。