筑波大 柳沢正史教授にブレイクスルー賞「オレキシン」発見

大手IT企業の創業者などが設立したアメリカの財団がすぐれた科学者に贈る「ブレイクスルー賞」に、「オレキシン」という神経伝達物質を発見し、睡眠を制御する仕組みの解明に大きな業績をあげたとして筑波大学の柳沢正史教授が選ばれました。

「ブレイクスルー賞」はアメリカのグーグルやフェイスブックなど大手IT企業の創業者などが設立した財団が毎年、すぐれた科学者に贈る賞で、この賞の「生命科学部門」で筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の機構長、柳沢正史教授が同じ分野の外国の研究者1人と共同で受賞しました。
記者会見で柳沢教授は、「受賞は正直意外で、かなり驚きました。睡眠は社会的には広く問題視もされていますが、学問では地味で、あまり認識されてこなかったので、睡眠という分野が認められたことが何よりもうれしいです」と受賞の喜びを語りました。
柳沢教授は、「オレキシン」という神経伝達物質を発見したのち、睡眠障害の一種で、日中でも突然、強い眠気に襲われる「ナルコレプシー」がこの「オレキシン」の欠如によることを解明し、この成果をもとに、不眠症の治療薬の開発が進められ、現在、広く使用されています。
今回の賞は、これまでにノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授や、東京工業大学の大隅良典栄誉教授も受賞しています。
柳沢教授には、共同受賞者とともに、賞金300万ドル、日本円にしておよそ4億円が贈られることになっていて、柳沢教授は、「日本の研究環境はまずい状況にあると思っているので、若い研究者が安心して研究できるよう、基金の設立などを検討したい」と話していました。