県立特別支援学校生徒の事故訴訟 県5000万円支払い和解へ

10年前、水戸市内の県立特別支援学校で、生徒の人工呼吸器の管が外れた際に教員らが適切な対応を取らず、生徒が寝たきりになったとして、家族が茨城県に損害賠償を求めていた裁判で、県は裁判所が示した和解案に応じ、5000万円を支払う方針を固めました。

茨城県教育委員会によりますと2012年9月、県立水戸特別支援学校で、17歳の女子生徒が電動車いすで移動中に人工呼吸器の管が外れたということです。
生徒は低酸素脳症で寝たきりの状態になり、教員が管をつなぎ直したり、酸素ボンベを装着したりといったマニュアルに定められていた対応を取らなかったのが原因だとして、家族が県に損害賠償を求める裁判を起こしていました。
生徒は症状が回復しないまま、去年、亡くなったということです。
これについて水戸地方裁判所は、県が5000万円を支払う和解案を示し、県はこれに応じる方針を固め、和解のための議案を来月の県議会に提出することにしています。
茨城県教育委員会は「二度とあってはならない大変痛ましい事故で、亡くなられた生徒や遺族などに深くおわび申し上げます。今後も医療的ケアの支援体制の充実を図っていきます」と話しています。
また、県教育委員会は、緊急時の対応マニュアルを車いすに常に取り付けておくなどして、再発防止に努めたいとしています。