東海村 放射性物質検出 会社側“損傷排水管 点検記録なし”

茨城県東海村の医薬品の研究を行う民間企業の施設の実験棟で床下の排水管が損傷し、排水管の外で放射性物質が検出されたトラブルで、会社側は、この実験棟の床下を点検した記録がないため、排水管が損傷した時期を特定できないなどとする報告書を国に提出しました。

東海村にある医薬品の研究支援などを行う民間企業「積水メディカル」の施設では今月4日、第1実験棟の床下にある放射性物質を含む廃液を流す排水管が損傷しているのが見つかり、床下の土の表面から通常の値を超えるトリチウムなどの放射性物質が検出されました。
第1実験棟は昭和40年からおととしまで使われていて、排水管に残っていた廃液が漏れ出たとみられていますが、従業員の被ばくは確認されておらず、環境への影響はないとみられるということです。
これについて、積水メディカルは15日、これまでの調査結果を原子力規制委員会に報告しました。
報告書などによりますと、積水メディカルは規程に基づいて、半年に1度、床上や屋外の排水管を点検することになっていますが、第1実験棟の床下の排水管は点検の対象に含まれておらず、昭和40年以降、床下の点検が行われた記録は残っていないとしています。
このため排水管が損傷した時期を具体的に特定できないとしたうえで、放射性物質の使用実績を詳しく確認するなどして、損傷した時期や原因を推定したいとしています。
原子力規制庁は「今後の原因究明と再発防止策について確認していきます」としています。