松山 道後カラクリ時計に指向性スピーカー設置

松山 道後カラクリ時計に指向性スピーカー設置

松山市道後にある坊っちゃんカラクリ時計の音が大きいと近くに住む人などから複数の訴えがあったことを受け、管理する市は特定の方向に音を出す指向性スピーカーを新たに設置しました。

松山市道後にある坊っちゃんカラクリ時計は道後温泉本館の建設100周年を記念して平成6年に松山市が設置したもので、30分から1時間ごとに小説「坊っちゃん」の登場人物の人形が音楽とともに動きます。
このカラクリ時計について、近くに住む人などから音が大きいと複数の訴えがあり市は、ことし2月、音量を下げました。
一方で、地元の商店街などはバスや電車が通ると音が聞こえないとして、音量を元に戻すよう要請していました。
これを受け、市は13日、特定の方向に音を出す指向性スピーカーを新たに設置し、多くの人が集まるカラクリ時計の正面でより聞こえやすくなるようにしました。
松山市観光・国際交流課の武井昭憲主査は「さまざまな意見がある中で、最適な答えを見つけられるよう検討し、指向性スピーカーの設置に至った。カラクリ時計は観光コンテンツのひとつなのでたくさんの人に楽しんでもらいたい」と話していました。
しかし、スピーカーの設置後も、地元の商店街や訪れた人からは一部で依然として「音が聞こえにくい」という声が上がっています。
道後商店街振興組合の石田匡暁理事長は「一部の場所でしか聞こえず、スピーカーが向いていない場所や人が多いときは聞こえにくい。今回の設置についても事前に連絡はなく、勝手な対応に疑問を感じている。観光客により楽しんでもらうためにもみんなで考えていくべきだ」と話していました。
また、園児とともにカラクリ時計を見に来た市内の保育園の園長は「音楽はかすかに聞こえたが、その後に流れるアナウンスが少し聞き取りにくかった」と話していました。
これについて松山市観光・国際交流課は「商店街の関係者にも事前の情報共有をするべきだった。音量については指向性スピーカーの設置後も意見が分かれている。現時点で追加で対応することは検討していない」とコメントしています。