新居浜 保育園給食りんご事故検証結果判明”リスク認識不足”

愛媛県新居浜市の保育園で生後8か月の男の子が給食のりんごをのどに詰まらせて意識不明となった事故の検証結果が判明しました。
事故の原因として、離乳食にりんごを提供するリスクの認識が不足していたことや、家庭内の離乳食の状況を調理現場に十分に伝えていなかったことなどを指摘しています。
去年5月、愛媛県新居浜市の「新居浜上部のぞみ保育園」で、生後8か月の男の子が給食で出された小さくカットしたりんごをのどに詰まらせる事故があり、男の子は、いまも意識不明の状態が続いています。
この事故で市が設置した弁護士や有識者でつくる検証委員会の検証結果が判明しました。
それによりますと、保育士が2かけらのりんごをスプーンで提供した直後、男の子が泣いて息を吸った瞬間にりんごが気道を閉塞して、窒息につながった可能性が高いとしています。
りんごを離乳食とする場合には加熱して提供するとした国のガイドラインが園内には浸透しておらず、りんごを提供した年間42回のうち加熱したのは2回だけだったということです。
また男の子の保護者が家庭での離乳食について「ドロドロを食べている」と保育士に伝えたとしていますが、こうした情報は調理現場には伝えられていなかったということです。
さらに園長や主任保育士も離乳食の調理方法を把握しておらず、園長は離乳食に異常がないかを確認する「検食」も実施していなかったということです。
事故直後の対応の問題点も指摘されています。
保育士が119番に電話した際、消防が胸の圧迫を指示したにもかかわらず、現場の混乱や保育士の動揺でその指示が伝わっておらず、結果として窒息事故の対応が取れていなかったとしています。
再発防止策としては、保育施設などの職員に離乳食に関する研修を定期的に行うことや、保護者と離乳食に関する情報連携を確実に行うことなどをあげています。
こうした結果は、今月25日に開かれる検証委員会で市長に提出されることになっています。