新しい千円札にデザイン 浮世絵師 葛飾北斎の作品展 松江

新しい紙幣の千円札にデザインされている江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の作品の展示会が松江市で開かれています。

新紙幣の千円札には、北斎が70代前半で描き、迫力ある波が特徴的な「富嶽三十六景神奈川沖浪裏」がデザインされています。
県立美術館にはこの作品をはじめ、北斎が描いた「富士山」や「波」の作品を中心にあわせて54点が展示されています。
このうち「柳の絲」は、立ち上がる波の裏側まで丁寧に表現し、のちに描く「富嶽三十六景神奈川沖浪裏」の波の表現の原型になったとされています。
また「富嶽三十六景五百らかん寺さざゐどう」は、「一点透視図法」という西洋の技法を取り入れ、富士山と見物人の間の奥行きを表現しています。
専門学芸員の大森拓土さんは「『浪裏』が描かれるまでの軌跡を楽しめる。北斎がいかに水や波の表現にこだわっていたかという点に注目してほしい」と話していました。
展示会は8月5日まで開かれています。