「木次線18駅の物語」 今回の舞台は出雲横田駅

JR木次線の魅力を再発見するシリーズ、11回目の舞台は奥出雲町の出雲横田駅です。
ことし4月から木次線での運行が始まった観光列車「あめつち」を歓迎することで、地域の人たちが町に活気を生み出そうとしています。

奥出雲町の出雲横田駅には、約90年前に建てられた沿線で最も古い駅舎があります。
ここが「あめつち」の終点です。
4月7日の運行初日には、乗客を歓迎するために地元の人などおよそ100人が集まりました。
駅前には屋台がならんだほか、音楽の演奏も行われとてもにぎわいました。
歓迎イベントを企画した前田昌彦さんは、駅の近くで電器店を営んでいます。
「あめつち」の乗客が店で買い物をすることはほとんどありません。
それでもイベントを企画したのは、ふるさとへの危機感からです。
前田さんは次のように話しています。
「人口減少がここ数年でもかなり起こっていて、商売でも身につまされます。『あめつち』が起爆剤になって、地域の商売がうまくいけば、回り回って帰ってくる」
大型連休中の4月29日は、「あめつち」の4回目の運行日。
この日は、前田さんの呼びかけにより飲食店の人など7人が集まり、県内外からの乗客、およそ30人を出迎えました。
歓迎を受けた乗客は次のように話していました。
「地域の人の木次線への思いに心が温まりました。観光列車が走ることで地域に活気が生まれている」
木次線を走り始めた観光列車「あめつち」。
駅での出迎えを通して地元の人の思いが乗客に伝わっているようです。
前田さんは、「とにかく町ににぎわいが出てくれればいいです。歓迎を続けていきたい」と話し、手応えを感じてました。
今後は地元の幼稚園にも協力してもらい、見送りに参加する人の数を増やす予定です。