能登半島地震で被災の病院代表講演“人ごとにせず備えを”安来

能登半島地震で断水などの影響を受けながらも医療活動を続けてきた石川県七尾市の病院の代表が島根県安来市で講演し、「能登の地震を決して人ごとにせず、想定外の事態を想定して災害に備えてほしい」と訴えました。

安来市で講演したのは、七尾市の「恵寿総合病院」の神野正博理事長です。
神野理事長は、東日本大震災などを受けて病院の免震化に取り組んできたことから建物自体は震度6強の揺れでも大きな損傷は免れたものの、断水したことを紹介しました。
ただ、いざという時のために、上水道だけでなく井戸水も定期的に水質検査を受けて使えるようにしていたことから影響は最小限に抑えられ、自衛隊からの給水もあって地震発生から5日後には人工透析の治療を再開できたと振り返り、「能登の地震を決して人ごとにせず、想定外の事態を想定して災害に備えることが地域医療を守るうえでは重要だ」と訴えました。
会場にはおよそ500人が集まり、大きな災害の実体験に基づいて語られる必要な備えについて、じっと耳を傾けていました。
参加した安来市の男性は「考え方がとても進歩的で、災害に備えてきたことはすばらしい取り組みだと思いました」と話していました。