「消滅可能性都市」 人口減少に“危機感”強める

島根県で去年1年間に生まれた子どもの数は、速報値で4040人と、前の年より399人減って統計開始以来最も少なくなりました。
人口減少に歯止めがかからない中、島根県は若い世代を中心に、結婚に向けた機運を高める取り組みを強化する方針です。

厚生労働省によりますと、去年1年間に島根県で生まれた子どもの数は、外国人などを含めた速報値で4040人と、前の年と比べて399人減って、統計開始以来、最も少なくなりました。
都道府県別に見ると、鳥取県と高知県、それに秋田県に次いで4番目に少なくなっています。
また結婚の件数は速報値で2226件と、前の年より83件減り、全国で3番目に少なくなりました。
人口減少に歯止めがかからない中、島根県は若い世代を中心に結婚に向けた機運を高めようと、SNSを活用した情報発信を強化する方針で、新年度の当初予算案に関連する経費130万円を盛り込みました。
島根県子ども・子育て支援課は「出生数の減少が続く中、これまで以上に結婚や子育てがしやすい環境作りを進める必要があり、希望する人たちを後押しできるよう支援したい」と話しています。

去年、島根県の出生数が速報値で過去最少となったことを受けて、県で総合的な人口減少対策を担う飯塚修司政策企画監は「大変な危機感を持って対策に取り組まなければいけない。全国的に若い世代が『結婚して子どもを産み育てたい』と希望することをためらわざるを得ない環境に置かれていると思う。人材育成や産業振興、さまざまな分野の取り組みを一歩一歩着実に進めていく必要がある」と述べました。
そのうえで、人口減少対策を柱に据える「島根創生計画」について、「人口を維持する水準と言われる合計特殊出生率2.07を目指すこと。また、社会増減については、まず転出者が転入者を上回る社会減をゼロにして均衡させること。この2つの目標を達成する年度や年数は改めて考えたいが、『人口減少に打ち勝つ』ことを次世代に引き継いでいくのは変わらない。県民の願いをかなえられるような計画にしたい」と述べ、再来年度から始まる第2期も今の目標を維持する考えを示しました。