長期入院の高校生に遠隔で授業 出雲の大学病院が機器を導入

島根県出雲市にある大学病院が、長期入院で通学できない高校生を支援しようと、県内では初めて遠隔で授業を受けられる機器を導入しました。

機器を導入したのは、県全体のがん医療の中心を担う拠点病院に指定されている出雲市にある島根大学医学部附属病院で、8日、報道向けに説明会を開きました。
はじめに、病院の担当者が高校は義務教育ではないこともあり、がんなどの治療で長期入院する場合、病院内で教育を受ける院内学級が少ない現状を説明しました。
そして、長期入院する高校生の学校生活を支援しようと、県や病院などが高校と遠隔で通信できる機器をすでに2組導入して、運用を本格的に始めることを説明しました。
この機器はタブレット端末を取り付けて教室に置くことで、離れた病室から遠隔操作して映像と音声を送受信できます。
▽端末の視点を上下左右に動かしたり拡大したりできるほか、▽リアルタイムで会話することもでき、主体的に授業や学校生活に参加できる点が特徴です。
病院によりますと、こうした病院と高校を結ぶ遠隔機器の導入は中国・四国地方では広島県に次いで2番目で、島根県内では初めてだということです。
島根県がん対策推進室の和田久史室長は、「長期入院でやむをえず留年や退学する生徒もいた。病室にいても楽しく授業に参加でき、治療にも意欲的に取り組める環境をつくっていきたい」と話していました。