岩手 陸前高田の前市長 教訓伝える講演 松江

東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市の前市長、戸羽太さんが松江市で講演し、有事の際の行動を事前に決めて準備しておくことの大切さを訴えました。

松江市で開かれた講演会は、自然災害への備えをテーマに県などが企画し、講師には、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市の前市長、戸羽太さんが招かれました。
戸羽さんは、東日本大震災が発生する直前の2011年2月に市長に就任し、地域の復興を3期12年にわたって指揮してきました。
講演では避難所の運営について説明し「能登半島地震と同じで避難生活でいちばん大変なのがトイレだった。比較的田舎なので地面に穴を掘って石灰をかけるなどして対応した」と振り返りました。
そして、いちばん伝えたいこととして「例えば自宅を1部屋だけでも耐震化しておき何かあったらそこに逃げ込むなど事前に行動を決めておく必要がある」と述べたうえで「減災というのは後悔を減らすことだと思う」と訴えました。
松江市の70代の男性は「去年防災士の試験に受かり防災に関心があったので参加したが、実際に経験した戸羽さんの生の声はとても参考になった」と話していました。