新型コロナ検査不正申請 県が補助金全額返還命令

県は、県内で行われた新型コロナの無料のPCR検査などで東京の事業者が不正な申請を行い、補助金8200万円余りを受け取っていたとして全額の返還を求める命令を出しました。

補助金の返還を命じられたのは、東京・新宿区にある民間の医療関連の事業者「メディトランセ」です。
県によりますと、この事業者は去年3月からことし5月にかけて、県内で行われたおよそ1万件の新型コロナの無料のPCR検査などで、8239万円余りの補助金を受け取っていました。
しかし、ことし6月に東京都が行った調査で補助金の不正な申請をしていたことが明らかになり、県もこの事業者に聞き取り調査を行ったところ「取引先の業者がメディトランセの名義を使って補助金を申請した」などと説明したということです。
このため、県はこの事業者が補助金を不正に受け取っていたとして、12月12日付けで補助金の交付決定を取り消して全額8239万円余りの返還を命令したほか、今年度分となる116万円余りの不交付を決定しました。
検査の補助金交付で不正が発覚したのは県内では今回が初めてです。
県の対応について「メディトランセ」は「取引先の業者に名義を勝手に使われて警察にも相談している。経緯を説明したにもかかわらず、島根県から補助金の返還命令が出されたため、国家賠償請求も視野に対応を検討したい」としています。