浜田漁港で潜水士死亡事故 国の運輸安全委員会が報告書

去年(令和4年)8月、浜田市の漁港で、工事のため海に潜って作業をしていた潜水士が、近づいてきた船と岸壁の間に体を挟まれ亡くなった事故で、国の運輸安全委員会は、男性が潜水作業中だという情報を工事関係者の間で共有していなかったことなどが原因だとする報告書をまとめました。

去年8月22日、浜田漁港で、松江市の当時43歳の潜水士が岸壁を増設するため海に潜って作業をしていたところ、同じ工事にあたっていたクレーン台船と岸壁の型枠の間に体を挟まれて死亡しました。
この事故について、国の運輸安全委員会は、26日、報告書を公表しました。
それによりますと、クレーン台船は、ロープで引いて港内を移動させていた別の小型船が、係留するためロープを放したあと、岸壁に近づいたということです。
そして、潜水士が海の中で作業をしているという情報は、クレーン台船に乗っていた4人には共有されておらず、このうちの1人が直前に気がついたものの、他の作業員に伝える手段がなかったとしています。
そのうえで、再発防止策として、潜水作業を行う場所で台船を移動させる場合、現場作業の指揮者は、工事の関係者全員に事前に情報を共有させるほか、責任者は、連絡手段を確保するため、無線機を持たせることが望ましいなどと指摘しました。