日本古来の鉄づくりの技法「たたら製鉄」を体験 安来

日本古来の鉄づくりの技法「たたら製鉄」がかつて盛んに行われていた安来市で、一般の人たちも加わって鉄づくりが行われています。

安来市にある「和鋼(わこう)博物館」は、地元でかつて盛んに行われていた「たたら製鉄」による鉄づくりをいまに伝えています。
これまでは、大手金属メーカーの若手社員が中心だった年1回の鉄づくりを多くの人に体験してもらおうと、去年からは一般からの参加者も募って行っていて、ことしも県内外から13人が参加しました。
参加した人たちはまず、「真砂土」と呼ばれる粒が大きめの土と粘土などを混ぜ合わせて大きさ20センチほどのブロックを作り、それを積み上げて高さ1メートルほどの炉を組み上げていきました。
炉の土の中に水分が残っていると良質な鉄ができないため、参加者たちは炉の外側で火を炊いて土を乾燥させていました。
参加者たちは、最終的に炉の中に木炭と砂鉄を交互に入れて燃やし、「けら」と呼ばれる鉄の塊を取り出すことを目指すということです。
高知市から参加した70代の男性は「一つ一つの作業が手を抜けず、すごい技だと思いました」と話していました。
和鋼博物館の荒川優司館長は「安来が誇るかつての高い製鉄技術を体験してほしい」と話していました。