島根原発の事故を想定 大型ヘリコプター使った初の避難訓練

松江市にある島根原子力発電所で事故が起き、陸路が使えないことを想定した避難訓練が行われ、島根県や自衛隊が初めて大型ヘリコプターを使って避難の手順を確認しました。

この訓練は島根原発で事故が発生し、原発からおよそ5キロ圏内にいる住民を避難させる際に陸路が災害で遮断されたという想定で行われました。
このうち、松江市の野球場では、島根県や自衛隊などからおよそ50人が参加し、陸路の代わりに空路を使って住民を避難させる手順を確認しました。
訓練では、県の職員など25人が住民役となり、野球場に降り立った自衛隊の大型ヘリコプターに歩いて乗り込むと、5分ほどで現場を飛び立って避難していました。
県によりますと、ヘリコプターで数人規模を避難させる訓練は毎年、行っていますが、大型のヘリコプターを使って大人数を避難させる訓練は今回が初めてだということです。
島根原発をめぐっては、中国電力が来年(2024年)8月に2号機を再稼働させることを目指していて、原発が立地する島根県や松江市は事故に備え、避難計画の実効性を高められるかが課題となっています。
島根県原子力防災対策室の神村好信室長は「大型ヘリコプターが離着陸できると確認でき、住民を避難させる際の実効性の向上につながった。今後も訓練に取り組んでいく」と話していました。