所有者不明の空き家 出雲市が撤去

空き家の増加が問題になるなか、所有者のわからない老朽化した空き家が近隣に危険を及ぼしているとして、出雲市が、法律に基づいて、22日から撤去に乗り出しました。

今回撤去されるのは、出雲市今市町の木造瓦ぶき平屋建ての30平方メートル余りの空き家です。
22日は、現地におよそ10人が集まり、出雲市都市建設部の北脇正巳部長が略式代執行を宣言したあと、作業員がバールを使って壁の板を剥がしていきました。
空き家の対策は、本来は所有者が行いますが、市によりますと、この空き家は所有者がわからないということです。
空き家は老朽化して屋根が壊れ落ちているほか、火災が発生した場合に燃え広がるおそれがあり、近隣に危険を及ぼしているとして、市は、市内では初めて、法律に基づいて22日から撤去に乗り出しました。
作業は2週間ほどかかる予定で、市は、経費として国や県の補助金を活用し、150万円を補正予算に計上しています。
隣に住む84歳の女性は、空き家に生えたツタが自宅の庭に入らないよう2年ほど前にトタンの壁を立てたということで、「空き家は屋根が徐々になくなっていった。火事があったら怖い。解体されたらすっきりすると思う」と話していました。
市の推計では、おととし(令和3年)4月末時点で、市内には2652軒の空き家があるということです。
出雲市空き家対策室の小形淳室長は、「市内の空き家対策は、利活用と売却の両輪で進めていきたい。空き家を持っている方には危険になる前に市に相談してほしい」と話していました。