夏のアウトドアに潜む “危険な生物”に注意

新型コロナが「5類」に移行して初めての夏、山や海に遊びに行く。
そんな人もいるかと思いますが、夏のアウトドアには“危険な生物”が多く潜んでいます。

島根に生息する虫の研究を続けている、県立三瓶自然館サヒメルの皆木宏明さんによりますと、夏のこの時期、森林やその周辺の茂みなどでは、マダニが活発に活動しています。
マダニは、動物にくっついて血を吸う習性があり、人をかんだ場合、感染症を媒介するおそれもあるため警戒が必要だといいます。
なかでも、マダニによって媒介される感染症のひとつ「SFTS=重症熱性血小板減少症候群」は、感染すると発熱やおう吐などの症状が現れ、重症の場合、出血が止まらなくなるなどして死亡するケースもあり、去年(2022)は116人が感染し、12人が亡くなっています。
また、アブの仲間のウシアブは、大きな口で薄手の服の上からでも人をかむことがあるといいます。
皆木さんによりますと、アブは、動物が発する呼気などの二酸化炭素に寄ってくる習性があり、林などの近くで車のエンジンをかけっぱなしにしておくと、排気ガスに含まれる二酸化炭素に反応し、大量に寄ってくるおそれがあるといいます。
こうした危険な生物に備えるため、皆木さんが最も重要だとしているのが「服装」です。
森林や茂みなどに入る際には、長袖に長ズボン、サンダルではなく靴を履き、足首も靴下で覆うなど、できるだけ肌の露出を控えることが大切だということです。
また、虫よけスプレーも効果的です。
汗で流れ落ちることもあるので、定期的に塗り直すことがポイントだということです。