アフターコロナ見据え 県立大生が「ユニバーサルツーリズム」

アフターコロナを見据え、「ユニバーサルツーリズム」という新たな観光の動きが始まっています。
年齢や障害の有無にかかわらず、誰もが楽しめる観光を実現しようと、観光学を学ぶ大学生が、視覚に障害がある人を対象にした観光プランづくりに取り組んでいます。

取り組みを進めているのは、島根県立大学で観光学を学ぶ学生たちです。
どんな観光であれば、視覚に障害がある人も快適に楽しめるのか。
ことし6月、地元の観光事業者といっしょに視覚に障害がある人から話を聞きました。
その一人で、全盲の渡部栄子さんは、観光する際の不安について、「ホテル内の移動にサポートできる人がいるか、あるいは、サポートがなくてもなんとか過ごせるんだろうかということを考える。周りに危険な場所がないかいうのも気になる」と学生に語りました。
その一方で、渡部さんは、必要な配慮さえあれば、楽しめることが多いことも伝え、視覚障害の人に案内できる人と一緒にダイビングした経験なども伝えました。
「ユニバーサルツーリズム」に欠かせないことは何かについて手がかりを得た学生たちは、観光プランについて検討を重ねました。
そして、7月、学生たちは、自分たちで考えた観光プランを、松江市東出雲町の古民家で、渡部さんなど視覚に障害がある3人に体験してもらいました。
観光プランで力を入れたのは、全身で自然を感じてもらうこと。
はじめに、この地域特産の柿の実の間引きを体験してもらいました。
干し柿を作っている「柿小屋」の見学も取り入れました。
小屋の中にある急な階段を安全に上れるよう、学生たちは、積極的に介助と声かけをし、小屋ならではの風の心地よさや、木の手触りを感じてもらいました。
参加した渡部栄子さんは、「なかなか柿の木にゆっくり触れられることはないので、初めて触ることができてうれしかったです。繰り返しまた実現できたらいいと思いました」と話していました。
プランを考えた学生のひとりは、「私たち自身もすごく楽しかったので、障害のあるなしに関係なく、『ユニバーサルツーリズム』が多くの人に広まっていけばいいと思います」と話していました。
学生たちは、今回の取り組みをきっかけに、障害のある人の旅行や、余暇の過ごし方について、さらに聞き取りを進めることなどを検討しているということです。
こうした動きが今後どのように広がっていくのか、注目したいと思います。