生活保護費不適切支給めぐる訴訟 桐生市が一部争う姿勢示す

生活保護費の不適切な支給を繰り返していた桐生市に対して、対象となったうちの2人が慰謝料などの損害賠償を求めた裁判が始まり、桐生市は全額支給していなかったことの違法性を認める一方で、分割での支給については、双方で合意があったなどとして争う姿勢を示しました。

桐生市が生活保護費の不適切な支給を繰り返していた問題を受けて、対象となったうちの60代と50代の男性は、去年、一括で支給されるべきである1か月分の保護費が分割で支給され、少ない月には半額程度しか受け取れずに「著しい精神的な苦痛を受けた」などとして、市に対して慰謝料などあわせて55万円を求める訴えをことし4月に起こしました。
この裁判が19日前橋地方裁判所で始まり、桐生市は提出した答弁書の中で、保護費の前渡しの義務があり、全額を支給しなかったことが法律に違反する行為だったことなどは認めました。
一方で、1人の男性に対する分割での支給について、「男性には多額の負債があり、口座にまとまった金が入ると差し押さえられる可能性が危惧された」などという理由で「合意があった」として、訴えを退けるように求め争う姿勢を示しました。