夏休みの宿題でもデジタル教材活用 群馬県で始まる

教育現場でICT=情報通信技術を活用する動きが広がる中、まもなく始まる夏休みの宿題でも「デジタル教材」を使う取り組みが県内で始まっています。

吉岡町の小学校では、AI=人工知能が児童の習熟度に応じて問題を出してくれるといったソフトを活用することで、学力向上と教員の負担軽減を図っています。
教育現場では、国が全国の小中学生に学習用のタブレット端末を配備しICTを活用した取り組みが進められていて、県内の自治体では、吉岡町が、4年前から独自にICT教育の推進計画を策定して実践を行い、文部科学省から先進的な自治体の1つとして選ばれるなど注目されています。
町では、ふだんの授業に加え、長期休暇中の宿題での活用も始めていて、駒寄小学校では去年の冬休みに続き今月20日からの夏休みの宿題に「デジタル教材」を使うということです。
この教材は、教育サービス大手が提供するソフトで、学習習慣を定着させるため、教員側が設定した日にドリルが配信されるほか、児童の正答率や進み具合などを教員側がリアルタイムで確認できる仕組みです。
また、AIが児童の習熟度に応じて問題を出してくれるようにもなっていて、学力の向上と教員の負担軽減を図っています。
駒寄小学校の山崎栄寿校長は「教員の負担が軽減されることで余裕が生まれている。子どもたちも教材を活用してさまざまなスキルを高めてもらいたい」と話していました。

夏休みの宿題への対応で教員の負担軽減を図る取り組みは、桐生市の小学校でも始まります。
桐生市教育委員会が、市内の小学校で進めるのが「QRコード」の活用です。
毎年、夏休みの宿題にしているポスターなどのコンクールへの参加については、去年まで教員が児童一人一人の名簿を作成して各主催者側に提出していました。
ことしからは省力化を図ろうと、募集要項にQRコードを載せることで、保護者に児童の氏名や学年などの情報を、みずから入力してもらうことにしました。
また、市が主催する複数のコンクールの中から児童が参加するものを選ぶ際に必要となる一覧表について、これまでは各学校で教員がまとめていたものを、ことしからは教育委員会が一括してまとめて各学校に配ります。
桐生市教育委員会の須藤英隆課長は「少しでも教員の負担を軽減したかったのでできることから始めた。今後も教育の質を落とさない中で、業務の改善や削減を進めていきたい」と話していました。