救急搬送迅速化へマイナンバーカード活用の実証実験 前橋

医療機関への救急搬送を速やかに行うために、健康保険証と一体化したマイナンバーカードを救急隊が搬送時に読み取り、受診や薬などの情報を把握して搬送する実証実験を、前橋市消防局が進めています。

この実証実験は、総務省消防庁が全国67の消防で順次、実施していて、前橋市消防局は、今月11日からおよそ2か月間行っています。
実験では、救急隊員が搬送する患者に健康保険証と一体化したマイナンバーカードを持っているかや、活用していいかを確認した上でタブレットに読み込ませます。
その画面には、患者が過去に受診した医療機関の名前やその日付、行われた検査、そして、処方された薬などの情報が表示されます。
こうした複数の情報をすぐに確認できることで、患者にとって適切な医療機関への速やかな搬送につながると、消防局はみています。
カードの読み取りには原則、患者本人からの同意が必要だとしていますが、意識を失っている場合などは、家族から了承を得ることで利用できる仕組みです。
全国で行われている今回の実証実験の背景には、高齢化による救急需要の拡大と、搬送時間の長さがあります。
前橋市消防局救急課の福田貴紀さんは「多くの病気がある高齢者や意識を失っている人でも正確な情報の把握で適切な医療機関に搬送できる。いざという時のためにマイナンバーカードを携帯してもらいたい」と話していました。