草津白根山 立ち入り禁止区域内の写真など 投稿800本以上

6年前の2018年に噴火した群馬県の草津白根山で、登山者が、立ち入りが禁止されている「湯釜」と呼ばれる火口湖周辺などに入り、登山者向けのアプリに写真などを投稿するケースが、これまでに800件以上相次いでいます。

草津白根山の「本白根山」では2018年1月に噴火が発生し、近くのスキー場で訓練していた自衛隊員1人が死亡し、ほかの隊員やスキー客らあわせて11人が重軽傷を負いました。
草津白根山は、白根山と本白根山ともに噴火警戒レベルが最も低い「1」ですが、草津町は専門家などと協議して火口付近や登山道を立ち入り禁止にしています。
しかし、およそ440万人が利用する登山者用の地図アプリ「YAMAP」の運営会社によりますと、エメラルドグリーンの湖面で知られる「白根山」の火口湖「湯釜」の周辺などに登山者が無断で立ち入り、アプリに写真やコメントなどの投稿を行うケースが、これまでに800件以上、相次いでいるということです。
運営会社によりますと、投稿した人の中には、ほかの人の投稿を見て立ち入り禁止区域に入ったとみられるケースもあり、不適切な投稿はすべてを非公開にしているということです。
運営会社の広報PRマネージャー、上間秀美さんは「立ち入りの禁止など、自治体からの正しい情報を得て、ルールを守って登山してほしい」と話していました。

群馬県の草津白根山は、白根山と本白根山ともに噴火警戒レベルは「1」ですが、草津町は災害対策基本法に基づき、「湯釜」を含む白根山の火口から500メートル以内のエリアなどについて、立ち入り禁止の措置をとってきました。
こうしたなか、草津町は登山者の安全確保などを条件にしたうえで、「湯釜」周辺の立ち入り規制をことし9月中旬ごろを目安に一部緩和することを検討しています。
具体的には、立ち入りは複数のガイドが同行し、日にちや人数を限定したうえで、インターネットで申し込みを事前に行った人に限ることなどを想定しているということです。
また、草津町は今後、登山道にある、避難するためのシェルターの修繕を行うほか、ことし夏ごろには噴火を想定した避難訓練を行うなど、規制緩和に向けた体制の整備を進める予定です。
草津町の黒岩信忠町長は「無断で立ち入った人がSNSに投稿して次の人を誘発してしまう危険性について、何とかしないといけないと考えてきた。いつ噴火が起きるかわからないなか、条件を整った人のみ登山できるようにしたい」と話していました。