海中で分解され自然界に循環 プラスチック製品開発へ研究進む

海に蓄積されるプラスチックごみをなくそうと、大学などによる研究も進んでいます。

研究の中心を担う群馬大学の粕谷健一教授です。
粕谷教授ら大学や民間企業などからなる内閣府のプロジェクトチームが現在取り組んでいるのは、海の中で分解されて自然にかえるプラスチックの開発です。
このうち、分解酵素を作り出す微生物が休眠状態で埋め込まれたプラスチックは、使用後に古くなると微生物が活動を始めて分子レベルにまで分解され、二酸化炭素と水になって自然界へと循環します。
これまでの研究では、微生物が活動を始めて1年から2年ほどで分解されることがわかっていて、現在は特許を取得し、プラスチック製品の開発を進めているということです。
プロジェクトチームでは今後、プラスチックの強度を上げたり、種類を増やしたりするなどして2029年度までに開発し、実社会での活用や応用を進めていくことを目指しているということです。
粕谷教授は「ありとあらゆる海域でプラスチックごみが広がり、生態系への脅威になっている。海のごみを劇的に減らすことにつながる可能性があるので、社会実装に向けて研究を加速させていきたい」と話していました。