定例県議会開会 山本知事 副知事再任案提出を見送り

山本知事は、24日開会した定例県議会に提出する方針を明らかにしていた宇留賀・前副知事の再任案の提出を一転して見送りました。
最大会派の自民党から再任に否定的な意見が出ていたことを受けた対応ですが、山本知事は、今回の議会の会期中に再度、提出を目指す考えを明らかにしました。

24日開会した定例県議会に県は、出没が相次ぐツキノワグマへの対策として、県内の生息地にカメラを設置する費用などを盛り込んだ一般会計の総額で1億1900万円の補正予算案を提出しました。
一方で、山本知事が24日、提出する方針を明らかにしていた宇留賀前副知事の再任案については提出されませんでした。
経済産業省から出向して2019年に副知事に就任した宇留賀氏は、山本知事からの再任の打診を受けて、経済産業省を退職した上で副知事を続けたい考えを明らかにしていました。
ただ、山本知事の再任案に対して県議会で3分の2の議席を占める最大会派の自民党からは、宇留賀氏が経済産業省を退職することで「国とのつながりが弱まる」などと否定的な意見が出ていました。
これを受けて山本知事は24日朝、県議会の安孫子議長から提出を見送ることを提案され、受け入れたということですが、取材に対して、来月17日までの今回の議会の会期中に再度、提出を目指す考えを明らかにしました。

山本知事は再任案の提出を見送ったことについて報道陣に対して、「説明不足や唐突感があったのかもしれない。県議団に不安があれば、もう一度、一から誠実に説明の努力を尽くしていきたい」と述べました。
山本知事は、宇留賀氏を再任させたい考えや理由を記者会見で長時間にわたり繰り返し述べたほか、自身のブログには23日までに、あわせて56回つづり、この中には、自民党の県議団の対応を批判する内容もありました。
山本知事に再任案の提出の見送りを提案し、24日で議長を退任した安孫子県議会議員は取材に対して、「議会の混乱を避けたかった。コミュニケーションをしっかりと取って、『なぜ再任するのか』という説明を、もう少し時間をかけて行ってほしい」と注文を付けていました。

24日の県議会では、新しい議長と副議長の選出も行われました。
2人は議会終了後に記者会見を行い、この中で須藤和臣・新議長は「歴史ある役職への就任で身の引き締まる思いだ。大勢の人から多様な意見があると思うが、議会の円滑に運営のために調整力を発揮できるように尽力していきたい」と抱負を述べました。
また、山本知事が宇留賀・前副知事の再任案の提出を見送ったことについては「今後どうなるか分からないが、知事からもまた考えをまとめて示されると思うので、局面に応じて必要があれば調整のために汗を流し、知恵を出していきたい」と述べました。
また、金井康夫・新副議長は「5類以降から1年が経過したが、コロナ禍で経済は傷を負ったと思う。その影響で困っている県民たちの声がしっかりと届くような県議会運営をしていきたい」と述べました。