“ほじょ犬の日”補助犬同伴での受け入れに理解を

22日は、目や耳などに障害がある人の生活をサポートする「補助犬」についての法律が成立されたことを記念して、「ほじょ犬の日」とされています。
法律では、施設などに補助犬同伴での受け入れを義務づけていますが、当事者の1人は「入店を断られることが日常的にある」として、理解が広がることを求めています。

「補助犬」は、目や耳、手足などに障害がある人の生活をサポートする「盲導犬」、「介助犬」、それに「聴導犬」のことです。
2002年の5月22日、「身体障害者補助犬法」が成立されたことから、これを記念して5月22日が「ほじょ犬の日」とされています。
この法律では、さまざまな施設や公共交通機関などに補助犬同伴での受け入れを義務づけている一方で、店への入店を断られることが「日常的にある」と訴えるのが全盲の小暮愛子さんです。
前橋市で盲導犬の「コニー」と生活する小暮さんは、コニーについて「私の人生のパートナー」としたうえで、「歩道上の障害物や段差、曲がり角があると止まって教えてくれるので、いてくれるだけで安心できます」と話します。
一方で、「ペットと同一視されて『ワンちゃんはだめです』とレストランやホテルなどで入店を断られることはいまも日常的にある。受け入れ義務について『知らなかった』と反応されることが大半なので、まずは法律について多くの人に知ってもらいたい」と話していました。

補助犬同伴での受け入れを拒まれたという問題は、データでも裏付けられています。
日本盲導犬協会の調査によりますと、去年1年間に「犬はお断り」などと受け入れを拒否された経験をした人は、回答した盲導犬ユーザーの44%に上ったということです。
このうち半数以上は複数回断られ、中には、7回、拒否された人もいたということです。
拒否された場所は、飲食店が55%で最も多く、次いで、タクシーなどの交通機関が12%、宿泊施設が9%でした。
また、県と前橋市には、「受け入れを拒否された」という連絡が、昨年度が2件、その前の年度が3件あったということです。
場所は飲食店や旅館、それに病院などで、県などが確認したところ、いずれのケースでも、法律で受け入れが義務づけられていることをスタッフが知らずに断っていたということです。
県障害政策課は「補助犬は体に障害がある人の自立と社会参加に欠かせない。受け入れを義務づけている法律についての理解と現場での対応の徹底をお願いしたい」と話していました。

法律への理解が進まず、補助犬の受け入れ拒否があとを絶たない中、前橋市には、前向きに受け入れを進めたうえで、さまざま配慮を行っている飲食店もあります。
出入り口に「補助犬歓迎」というステッカーを貼るこのイタリア料理店では、盲導犬を連れた視覚に障害のある客が訪れると、まず、スタッフが「ここで右に進みます」、「あと3歩くらいです」などと具体的に声をかけながら席まで誘導しています。
その後、注文を取る際には、メニューを一つ一つ読み上げ、具材などの質問に対しても詳しく説明します。
また、食事をテーブルに置く際には、皿の形や、皿のどこに、どのような食材が配置されているのかについても丁寧に伝えているといいます。
さらに、飲み物を提供する際には「手を前に差し出してくれますか」と伝え、グラスを直接、手渡しています。
誤ってグラスを倒したり、飲み物の場所が分からなくなったりすることを未然に防ぐための「配慮」です。
このような対応は、先月施行された改正障害者差別解消法で、民間の事業者にも過重な負担とならない範囲で義務づけた「合理的配慮の提供」にあたります。
イタリア料理店の従業員の佐野彩子さんは「盲導犬を連れている人が困っていることは何か、何を伝えたら楽しく負担なく、食事をしてもらえるだろうかと考えながら接客している。障害の有無にかかわらず、みなさんが幸せな時間を過ごせるように今後も改善を重ねたい」と話していました。