オリーブオイル値上げへ スーパーで一部商品が品不足に 前橋

ヨーロッパで起きた記録的な干ばつなどにより、オリーブの不作が続いたため、日本の食品メーカー各社は来月からオリーブオイルの値上げを行うことにしています。
また、不作の影響で、前橋市にあるスーパーでは一部の商品が品不足になっています。

ヨーロッパではおととしの記録的な干ばつや去年の雨不足などの影響で、スペイン産やイタリア産のオリーブの実が2年続いて不作となり、その影響で日本の食品メーカー各社は、オリーブオイルの値上げをことし5月の納品分から行うことにしています。
家庭向けの製品の値上げ幅は
▽J‐オイルミルズが32%から66%、
▽日清オイリオグループが23%から64%、
▽昭和産業が1キロあたり950円以上としています。
こうした中、前橋市朝日町にあるスーパーでは来月から一部の商品を除き、メーカーの値上げにあわせる形で店頭価格を引き上げることにしています。
また、不作の影響は、品不足の形でこのスーパーにも及んでいます。
スーパーの担当者によりますと、商品の中には納品に遅れが出ているため、一部で品不足になっていて、店頭に並ぶ分しか在庫がないものもあるということです。
このスーパーでは買い物客の負担を減らすため、オリジナルブランドのオリーブオイルの商品について、値上げ幅をほかのメーカーより抑えるとともに、在庫も通常より多く確保して対応することにしています。
買い物客の70代の女性は「料理店を経営していて、健康志向の高齢者などからはオリーブオイルを使った料理の評判が良いので、値段が上がってしまうと困る」と話していました。
スーパーの栗原和行店長は「駆け込み需要も予想されるので、欠品がないように対応していきたい」と話していました。

オリーブオイルの値上げをめぐっては、高崎市内にあるイタリアンレストランからも経営への負担を懸念する声が上がっています。
高崎市問屋町にあるイタリアンレストランではパスタのほか、サラダのドレッシングなど、7割以上のメニューでオリーブオイルを使用しています。
この店では主に2種類のオリーブオイルを利用していますが、オリーブの不作や輸送コストの増加、それに円安などの影響で、去年の秋ごろと比べて、業務用のオリーブオイルの1ケースあたりの価格がともに2倍以上になっているということです。
この店ではさらなる値上げを見越して、ことしに入り、およそ1年分のオリーブオイルを注文しているということです。
一方、1店舗あたり月に40リットル以上のオリーブオイルを使うこともあり、将来的に経営の大きな負担になることを懸念しています。
イタリアンレストランを経営する関崎晴五社長は「先行きが不透明なことが一番の心配。オリーブオイルはイタリア料理に欠かせないのでおいしい料理を安定して届けるために努力を続けていきたい」と話しています。