独居高齢者今後急増 国研究所 生活支援のニーズ高まる 高崎

独居高齢者今後急増 国研究所 生活支援のニーズ高まる 高崎

高齢化が進む中、1人暮らしの65歳以上の高齢者が今後、急増するという予測を国の研究所が発表しました。
同居する家族がいない高齢者を、どう支えていくかが課題となる中、生活を支援するサービスのニーズが高まっています。
高崎市のNPO法人を取材しました。

「国立社会保障・人口問題研究所」は5年に1度、国勢調査をもとに将来の日本の世帯数などを推計していて今回2050年までの予測を発表しました。
それによりますと、全世帯に占める「1人暮らしの世帯」の割合は2020年の38%から増加を続け2050年には44.3%と30年間で6.3ポイント増える見通しです。
なかでも、1人暮らしの65歳以上の高齢者が急増する見込みです。
高齢者全体に占める1人暮らしの割合は、2050年には、男性が26.1%と30年で10ポイント近く、また女性も29.3%と5ポイント以上増加すると予測しています。

こうした中、1人暮らしの高齢者が急増する中生活を支援するサービスのニーズが高まっています。
群馬県高崎市のNPO法人は、弁当の配食を通じた見守りサービスを提供しています。
1人暮らしの高齢者など市内およそ120人を対象に、昼食と夕食を配布していて、高崎市地域包括支援センターが支援の必要があると認めれば、市の補助を使って1食350円で利用することができます。
配食サービスを利用している関京子(79)さんは夫を亡くし自宅で一人暮らしをしています。
腎臓に持病があり、1人で買い物に行ったり食事の準備をするのが年々難しくなってきています。
関さんは週5回、配食サービスを利用していて、この日はボランティアスタッフが弁当を届けるのに合わせて、体調に変化がないかや外出したかどうかなどの生活状況を、会話の中で聞き取っていました。
関さんは、「外出する機会が減る中で、いつも一声かけてくださりとても助かります」と話していました。
NPOでは、食事を配った高齢者に気になることがあると、親族に連絡しているほか、1人暮らしが難しくなった場合は親族と相談して必要な医療や介護につなげるサポートもしています。
この日の夕方には、高血圧で視力が低下して外出が難しくなった市内の江原秀子さん(85)の自宅に食事を届けました。
秀子さんと離れて暮らす息子が母親の様子を見に来ていて、NPOの職員と家の中での転倒リスクなど、生活する上での心配ごとを話し合っていました。
サービス利用の申し込みは相次いでいますが、スタッフの数が限られる中ですべてに応じることはできず、ことしに入って利用を断るケースも出てきているといいます。
今後独居の高齢者が増える中でますます支援の手が足りなくなるのではないかと危惧しているということです。
認定NPO法人「じゃんけんぽん」職員の佐塚顕子さんは「サポートしたい気持ちはあっても高齢者世帯の増加にマンパワーや社会資源が追いつかない状況です。住み慣れた家で生活を続けるために何が必要かどこと連携したらいいのかを常に考え、地域の中で支えていきたい」と話していました。