群馬県内 外国籍住民が増加 受け入れ態勢の整備は

群馬県に住む外国籍の人は、先月の時点で6万6000人あまりとなり、去年の同じ時期よりおよそ7400人増加しました。
県内では人口減少が続き、人手不足が課題となっていて、県は引き続き外国籍の人の受け入れ態勢の整備などを進めていくことにしています。

県によりますと、先月1日時点の県内に住む外国籍の人は6万6000人あまりとなり、去年の同じ時期よりおよそ7400人増加しました。
自治体別では、伊勢崎市がおよそ1万4300人、太田市がおよそ1万2900人、大泉町が7800人あまりなどとなっています。
県は、外国籍の住民が増加している要因の1つとして、新型コロナの水際対策の緩和などでベトナムなどからの技能実習生が増えたことを挙げています。
一方、先月1日時点の群馬県の人口は189万人あまりとなり、去年の同じ時期よりおよそ1万1500人減少しました。
県内では少子高齢化に伴って人口減少が続き、各業種で人手不足が課題となっていて、県は引き続き外国籍の人の受け入れ態勢の整備などを進めていくことにしています。
県ぐんま暮らし・外国人活躍推進課は「今年度から職員がベトナムの大学などを訪問し、群馬をPRする予定で、労働力人口が減少する中で外国籍の人たちに群馬県を選んでもらえるよう引き続き取り組んでいきたい」と話しています。

【就職支援の取り組みは】
人手不足の中、県内で暮らす外国籍の人たちの就職を支援する取り組みも始まっています。
「ハローワークまえばし」では、今月から外国人留学生の専用窓口を設置しています。
この窓口では、外国籍の人が働いている企業の職場環境などに詳しい「留学生ナビゲーター」という専門の相談員を新たに配置し、相談や職業紹介だけでなく、エントリーシートの添削や面接の練習なども行っています。
10日もアルバイトを探しに訪れたスリランカ国籍の留学生に条件に合う職場を紹介したり、履歴書の書き方を教えたりしていました。
このハローワークでは、企業への働きかけを強めて留学生を対象とした求人を増やすとともに、大学と連携して留学生向けの企業説明会や面接会などを企画していくということです。
留学生ナビゲーターの山口真里子さんは「日本を選んで来てくれた留学生たちの就労支援を行いながら、企業の人手不足の解消や活性化にもつなげていきたい」と話していました。

【安心して暮らしてもらうための取り組みは】
一方、外国籍の人たちに安心して暮らしてもらうための取り組みも始まっています。
伊勢崎市が今月から地元のラジオ局と始めたのが、AI=人工知能を活用した“AIアナウンサー”による行政情報の発信です。
自動翻訳や音声生成のサービスに日本語の原稿を入力すると、数十秒で外国語に変換されたAIアナウンサーの音声ができあがります。
これを毎週水曜日の朝と昼すぎ、それに夕方の5分間、週ごとに英語、ポルトガル語、それにベトナム語、スペイン語に変えながら、外国籍の人向けの相談窓口など暮らしに役立つ情報を伝えています。
また、放送はインターネット上でも配信され、いつでも聞くことができるということです。
ラジオ局の高橋忠文社長は「AIアナウンサーを使えば緊急時にもすぐに多言語の音声を作ることができる。災害の際の呼びかけなど、幅広い分野で活用していきたい」と話していました。