「2024年問題」群馬県内の郵便配達にも遅れなどの影響

トラックドライバーの時間外労働の規制が今月から強化されたいわゆる「2024年問題」の影響が広がる中、郵便事業では県内でも地域によって配達が半日程度、遅れるなどの影響が出ていて、日本郵便が時間に余裕を持った利用を呼びかけています。

トラックドライバーの時間外労働に今月から上限規制が適用されたことによる「2024年問題」の影響が、すでに各業界で広がっています。
このうち日本郵便は、これまで1人のドライバーが運んでいた郵便物を、途中で別のドライバーに引き継ぐ「中継輸送」に切り替えたため、「ゆうパック」と「速達郵便」の配達にかかる日数は、今月から一部の地域で長くなるということです。
県内では「ゆうパック」の配達について、地域によって半日程度、遅くなる影響が出ていて、具体的には、県内から広島県の一部と四国、鳥取県、島根県、山口県、福岡県、熊本県宛てと、山口県と福岡県の一部から県内に宛てて出すケースが対象です。
例えば、県内の郵便局から午前中に福岡県内に送ると、これまで翌日の夕方や夜間に届いていたものが、今月からは2日後の午前中の到着になります。
さらに、「ゆうパック」の配達希望時間について10月からは「午後8時から9時」の時間帯がなくなるということです。
前橋中央郵便局の齊藤祐介さんは「対象の地域に荷物を出す際には時間に余裕を持って利用してもらいたい」と話していました。

物流の「2024年問題」を受けてドライバーの負担を、どう減らすのかが課題となる中で、今、事業者や行政が消費者に利用を促しているのが、「置き配」です。
荷物を受け取る側がネットショッピングなどで商品を注文する時に「置き配」を選択すると、不在の時も配達する側は、玄関先や宅配ボックスなどに荷物を届けられます。
このような動きを踏まえて吉岡町のホームセンターでは、「置き配」に関わるグッズを集めたコーナーを先月から設けました。
店によりますと、最も人気があるのは家の外に置く収納箱で、ベンチとしても活用できます。
荷物を入れたあとに盗難を防ぐための南京錠を付けられる仕組みになっていて、受け取り側が鍵を開けて受け取ります。
20代から30代を中心に購入する人が多く、先月は去年の同じ月の2.3倍の売り上げがあったということです。
また、宅配ボックスの中には、人がいなくても押印できるものがあります。
配送側が荷物を入れて扉を閉めたあと、伝票を差し込み口に入れて近くのボタンを押すと、内部にもともと設置されている受け取り側の印鑑が自動的に伝票に押印される仕組みになっています。
ホームセンターの店員の森田智宏さんは「安全に商品を受け取ることができ防犯にもつながるのでグッズを活用してほしい」と話していました。