前橋市発注工事の入札巡る事件 前副市長に懲役2年6か月求刑

前橋市が発注した工事の入札をめぐり、前の副市長が予定価格を漏らした業者から便宜を図った見返りなどとして、牛肉や焼酎などの物品を受け取った罪などに問われている裁判で、検察は「賄賂性を十分認識していた」と指摘し、懲役2年6か月を求刑しました。

前橋市の前の副市長、戸塚良明被告(73)は令和2年から令和3年にかけて市が発注した工事の指名競争入札について、予定価格を漏らした業者から便宜を図った見返りなどとして、牛肉や焼酎などの物品、およそ8万8000円相当を受け取ったなどとして加重収賄や受託収賄などの罪に問われています。
これまでの裁判で、戸塚被告は物品を受け取ったことなどは認めていますが、「賄賂の認識はなかった」として、起訴内容を一部否認しています。
7日、前橋地方裁判所で開かれた裁判で検察は「受け取った物品について賄賂性を十分認識していた」と指摘した上で、「一連の犯行は行政に対する市民の信頼を著しく損ねたもので、その責任は重大だ」などとして懲役2年6か月を求刑しました。
一方、弁護側は「賄賂の認識はなく、深く反省している」として、執行猶予付きの判決を求めました。
判決は5月7日に言い渡される予定です。