視覚障害者用の音響式信号機 県内で故障の復旧に2年の例も

視覚に障害がある人に、信号が青になったことを音で知らせる「音響式信号機」の故障が群馬県内で相次ぎ、中には、復旧まで2年かかった信号機もあることが警察への取材で分かりました。
故障の主な原因は老朽化で、群馬県警は、視覚障害者にとって欠かせない装置であることから、速やかに対応していくとしています。

「音響式信号機」は、視覚に障害がある人に信号が青になったことを鳥の鳴き声のような音で知らせる装置で、群馬県警によりますと県内では、ことし1月時点で241か所にあります。
ただ、特に近年は故障が相次ぎ、1月の時点では前橋市、高崎市、太田市の合わせて5か所で音が出ない状態でした。
このため群馬県警は先月から工事を急ぎ、4日までにすべて復旧させましたが、復旧までの期間はJR前橋駅近くの交差点では2年で、そのほかの4か所でも半年から1年8か月ほどかかっていました。
県警は故障の主な原因は老朽化で、各地で故障と復旧を繰り返す「いたちごっこ」の状態だとしているのに対して、装置が欠かせない視覚障害者からは、県警の対応の遅さを指摘する声もあがっていました。
これに対して群馬県警交通規制課の石川泰彦課長補佐は「原因究明や部品の調達に時間がかかってしまっている。決して放置しているわけではないが、視覚障害者の声を重く受け止め、故障した場合の早期の復旧に努めたい」と話し今後は速やかに対応していくとしています。