伊勢崎のメーカーが下請けに不当な利益侵害か 公取委が勧告

自動車のエアコン部品の製造で世界有数のシェアを持つ群馬県伊勢崎市のメーカーが、部品の製造用の「金型」を下請けの会社に無償で保管させていたことが不当な利益の侵害にあたるとして、公正取引委員会は、このメーカーに対し、保管費用などを支払うよう勧告しました。

勧告を受けたのは、群馬県伊勢崎市の自動車部品メーカー「サンデン」です。
サンデンは自動車のエアコンの「コンプレッサー」の市場で世界有数のシェアを占めていて、関係者によりますと、61の下請けの会社に自社の部品製造に必要な「金型」あわせて4000個余りを保管させていましたが、その費用を負担していなかったということです。
金型は1台の重量が3トンに達するものもあり、倉庫を借りるなどして保管していた会社もあったということで、公正取引委員会は、サンデンのこうした対応が下請けの会社に対する不当な利益の侵害にあたるとして、保管費用などの支払いを求める勧告を出しました。
下請けの会社に発生した保管費用などの合計は1億円を超えるとみられるということです。
「サンデン」はNHKの取材に対し、「勧告を厳粛に受け止め、同じ問題が発生することのないよう、改善を徹底していく」としています。