困窮家庭の支援団体 物価高で運営資金の見通し立たない状況も

物価高による家計への影響が続く中、経済的に困窮する家庭を支える団体自体も、物価高で厳しい運営を強いられています。
富岡市で無料の勉強会を開き、子ども食堂を運営するNPOでは費用が増加し、来年度の運営資金の確保の見通しも立たない状況です。

富岡市のNPO「みんなのおうえん団」は経済的に困窮する家庭などの小・中・高校生に無料で勉強会を開き、昼食を提供する子ども食堂を運営していて、去年最後の開催日の先月末には50人あまりが参加していました。
物価高による家計への影響が続く中で、利用者はここ最近、前の年の2倍ほどに増えているため、開催回数を増やして対応しています。
ただ、それに伴い費用も増えていて、そこに物価高が追い打ちをかけています。
食品や、プラスチック容器の値上がりに加えて人件費が増加した結果、1回あたりの費用は3万5000円ほど増えているといいます。
費用は複数の民間の財団からの助成金でまかなっていますが、申請や支給は年度ごとのため、このままの状況が続けば来年度に資金が確保できるのか、見通しが立たない状況だということです。
こうした状況はデータでも裏付けられています。
去年6月に行われた全国の「子ども食堂」を対象としたアンケートでは、回答があったうちの77%が「物価の上昇で費用負担が増えた」と答えたほか、49%が「資金不足に困っている」と答えていて、物価高による厳しい運営の実態が浮き彫りになっています。

無料での勉強会や子ども食堂を運営している富岡市のNPOの※ツル田あずさ代表理事は「子どもたちのために開催を続けたり、回数を増やしたりしたくても費用面での限界がある。継続して子どもたちを支えていくためにも、行政による支援など安定したシステムをつくってほしい」と話していました。

※ツル=「雨」かんむりに「鶴」