花粉ほとんど出さない「少花粉スギ」に植え替え 県が取り組み

多くの人たちを悩ませている花粉症の対策の一環として、群馬県内では花粉をほとんど出さない、「少花粉スギ」に植え替える取り組みが進められています。

群馬県は花粉の発生源を抑えるため、通常のスギと比べて花粉の生産が1%以下しかない「少花粉スギ」の品種をおよそ20年前に開発し、県内にある民有のスギ林の伐採時などに順次、植え替えを進めています。
こうした取り組みのため、渋川市にある県の施設では少花粉スギの種子を採種するための木、「母樹」をおよそ4000本育てています。
今月4日には、職員4人が母樹からとった種子を出荷するための作業を行い、一部が欠けた種子や不純物などをピンセットを使って手作業で取り除いていました。
ことしは20キロあまりの種子が、県内の苗木業者に出荷される見込みで、種子は業者のもとで2年から3年をかけて苗木まで育てられるということです。
また、県は国からの委託を受けて、県内23か所のスギ林で雄花の量の観測をしていますが、今年度は平年と比べると70%程度だったということです。
県林業試験場の飯島民子主任は「県としては引き続き、種を生産することで少花粉スギを増やす取り組みを進めていきたい」と話していました。