草津温泉 外国人旅行客の取り込みに向けた動き広がる

日本へのインバウンド=外国人の旅行の需要が回復基調にある中、全国有数の温泉地の草津温泉では、宿泊施設が多言語で滞在をサポートするシステムの導入を進めるなど、外国人旅行客の取り込みに向けた動きが広がっています。

日本政府観光局によりますと、ことし10月の外国人旅行者数は推計で250万人余りと、コロナ禍以降としては初めて感染拡大前の2019年の同じ月を上回り、インバウンド需要の回復が鮮明になっています。
こうした状況を受け、草津温泉では外国人旅行客の取り込みに向けた動きが広がっています。
創業110年の老舗ホテルでは、外国人の滞在をサポートするためQRコードを使って多言語で施設内の案内を行うシステムを年内にも導入する予定です。
このホテルでは、今月は宿泊客の半数余りを外国人が占めていて、システム導入後はルームキーや客室にあるQRコードをスマートフォンで読み込むと、レストランや大浴場の利用時間や館内の案内が英語や中国語など11の言語で表示されるようになるということです。
ホテルのおかみの黒岩英子さんは「多言語に対応することで外国人旅行客にも安心して過ごしてもらえれば」と話していました。

草津温泉では、外国人旅行客を呼び込むためSNSを通じた情報発信にも力を入れています。
その1つが外国人インフルエンサーとの協力で、18日には、東南アジアのタイで人気の夫婦を招待しました。
東京に住む日本人の夫の「ミチ」さんとタイ人の妻の「キック」さんは「キンユーディー」という名で活動し、タイを中心に44万人のフォロワーがいます。
2人は、スマートフォンで撮影しながら温泉街を散策し、湯畑や温泉の魅力を身ぶり手ぶりを交えながらタイ語で伝えていました。
この日に撮影された映像は今後、SNSで発信される予定だということです。
キックさんは「タイには温泉がないので湯畑の湯気の景色がとてもきれいです。タイ人が喜ぶと思う」と話していました。
草津温泉観光協会の福田俊介事務局長は「外国人旅行客に近い存在であるインフルエンサーが発信することで草津の魅力がより伝わると思う。草津温泉の認知度を上げてさらに多くの人が訪れるようにしていきたい」と話していました。