群馬県内12市 広報誌発行「月1回」に減らす市が増加

自治体の政策や催しの予定などをくまなく伝える広報誌の発行回数について、県内では「月1回」に減らす市が増えていることが、NHKのまとめでわかりました。
各家庭に配る自治会の人たちの高齢化などが要因で、今後も紙媒体での情報発信の回数は減少していく見通しです。

自治体の政策や予防接種、ごみ収集、そして地域の催しなど暮らしに身近な情報を掲載する自治体の広報誌の発行回数について、NHKは県内12の市に取材しました。
その結果、月2回が高崎、太田、伊勢崎、渋川、安中、藤岡の6つの市で、月1回が前橋、桐生、館林、富岡、沼田、みどりの6つの市でした。
ただ、このうち、館林市は去年、前橋市はおととしにそれぞれ月2回から1回に減らしたほか、高崎市と伊勢崎市は来年度(2024)から月1回に減らす見通しです。
回数の減少の要因は各家庭に配る自治会の人たちの高齢化に伴う負担の増加や、スマートフォンの普及によってホームページで見る人が増えていること、そして経費の削減をあげています。
このうち来年度から月1回の発行にする高崎市は、紙媒体での広報誌に動画や写真を加えた新たな「デジタル版」をホームページに掲載することで、若い世代にも読んでもらいたいとしています。
このほかの市では、太田、安中、藤岡が月2回の発行を続ける方針である一方で、渋川は「月1回にできるか本格的な検討を始めた」としていて、今後も紙媒体での情報発信の回数は減少していく見通しです。

月に2回だった広報誌の発行を来年度から1回にする方針の伊勢崎市でも、各家庭に広報誌を配る自治会の高齢化が課題となっていました。
このうち、およそ1900世帯が暮らす田中島町では15日、市から届いた広報誌を70代の自治会の班長が各家庭に配っていました。
この地区では高齢になっても仕事を続ける人が増え日程の調整が難しくなっているほか、体力的に配ることが難しい人が増えて、人員の確保が困難になっているといいます。
15日、配っていた70代の班長は「今はまだ配ることができるが、地区の中にはさらに高齢の人が増えていて対応できる人が限られている。配る回数が減る見通しとなりほっとしている」と話していました。
伊勢崎市がことし8月から9月にかけて発行回数について市民にアンケートした結果、「月1回がいい」が最も多く68%を占め、「発行しなくていい」が16%「月2回がいい」が13%でした。
伊勢崎市の藤生ひとみ広報課長は「市民の声を反映して広報誌の発行回数を減らすことにした。ただ、中身をカラーにするなど内容を読みやすくして、今後も市民に必要な情報を届けていきたい」と話していました。