障害者の“精神的苦痛は大きい” 投稿者に賠償命令 前橋地裁

前橋市に住む重度のまひがある男性が、必要とする介護サービスを求めて市を訴えたことをめぐってインターネット上の掲示板にひぼう中傷する内容の書き込みをされたとして、投稿者に損害賠償を求めた裁判で、前橋地方裁判所は「許される限度を超える侮辱行為だ」として96万円あまりの支払いを命じる判決を言い渡しました。

前橋市に住む兵藤一晶さん(48)は、病気のため重度のまひがあり市に対して必要な介護サービスを求める訴えを去年、起こしました。
この訴えをめぐって、インターネット上の掲示板に「殺処分でいいやん」と書き込まれたことから、兵藤さんは精神的な苦痛を受けたなどとして投稿した東京都の男性に対し、195万円あまりの損害賠償を求めていました。
この裁判の判決が、8日、前橋地方裁判所で言い渡され、神野律子裁判長は「原告の生命を著しく軽視するものであり、社会生活上、許される限度を超える侮辱行為であることは明らかだ」と指摘しました。
その上で「原告の負った精神的苦痛は大きい」として投稿者に96万円あまりの支払いを命じる判決を言い渡しました。
判決を受け、兵藤さんの代理人、下山順弁護士は「ネット上で簡単な気持ちでひぼう中傷を投稿すると、厳しい民事上の責任が問われることを明確にした裁判で非常に意義がある」と話していました。