群馬県 県内全域にインフルエンザ警報発令 4年ぶり

インフルエンザの感染状況について、群馬県は26日までの1週間で、1医療機関当たりの平均の患者数が33.46人と前の週より9.31人多くなったと発表しました。
国が定める警報発令の目安の「30人」を上回ったことから、群馬県は4年ぶりに県内全域に警報を発令しました。

県衛生環境研究所によりますと、今月20日から26日までの1週間で、1医療機関当たりの平均の患者数は33.46人と、前の週より9.31人多くなりました。
国が定める警報発令の目安の「30人」を上回ったことから、県は28日、県内全域にインフルエンザの警報を発令しました。
県によりますと、警報の発令はコロナ禍前以来の4年ぶりで、統計を取り始めた1999年以降、新型インフルエンザが流行した2009年に次いで2番目に早い時期での発令だということです。
保健所の管内別では富岡が51人、伊勢崎が50.3人、利根沼田が47.4人、渋川が39.33人、藤岡が39人、桐生が38.5人、太田が34.5人、前橋市が31.46人、高崎市が24人、館林が21.89人、安中が19人、吾妻が4.33人となっています。
また、指定医療機関から報告があった患者数は合わせて2911人で、年代別では、10歳未満が1475人で最も多く全体の半数を超え、このほか10代が923人、40代が163人、30代が155人、20代が78人、50代が55人、60代が32人、70代が24人、80歳以上が6人となっています。
県衛生環境研究所は、手洗いなどの感染対策の徹底や、症状がある場合にはマスクを着用すること、それに、希望する人は早めに予防接種を受けることを呼びかけています。

インフルエンザの感染者の多くを子どもが占める中で、家庭内での感染を防ぐことが、よりいっそう重要になっています。
伊勢崎市の小児科のクリニックには発熱などの症状を訴える子どもが連日、訪れています。
26日までの1週間にインフルエンザへの感染が確認された人は82人で、84%にあたる69人が14歳以下でした。
また、今月中旬以降、検査を受ける人も大幅に増え、27日は親子3人が検査を受けていました。
家庭内での感染を防ぐことが求められる中で、羽鳥こども医院の羽鳥則夫院長は手洗いとマスク着用、そして換気といった基本的な対策の徹底を呼びかけています。
まず、手洗いです。
特に感染が広がることが多いのが「食事中」だとして、食事の前に、家族全員が手をよく洗うことが大切だと指摘しています。
次に、マスク着用です。
親子のどちらかでも感染した場合は、家庭内でもマスクをすることを推奨しています。
特に小さな子どもの場合は、マスクの着用が難しいケースもあることから、親がマスクを積極的にすることを求めています。
さらに、換気です。
寒さが厳しい時期を迎えましたが少なくとも30分に1回は家の中の窓を2か所以上は開けて、空気の通り道を確保することが大切だとしています。
羽鳥院長は「感染予防対策を心がけたうえでワクチン接種を受けることが一番よいと思う」と話していました。