プラスチックごみ削減に取り組む事業所登録 3か月で1件のみ

プラスチックごみの削減に向けて、群馬県は削減に取り組む事業所を登録する新たな制度を始めたものの、開始から3か月間で登録がわずか1件だったことがわかりました。
群馬県の政策をめぐっては、温泉地に観光客を呼び込もうと販売した旅行商品の利用が4か月間で1件もなく、政策の実効性が問われる事態が続いています。

海洋汚染などへの影響が問題になっているプラスチックごみの削減に向けて、群馬県は使い捨てのプラスチック製品の使用量の削減や、使用済みのペットボトルの回収などに積極的に取り組む県内の事業所や店舗を登録する新たな制度をことし8月に始めました。
登録された事業所などには登録証が交付されるほか、県のホームページなどで紹介されることになっていましたが、制度の開始から3か月間で、登録は、わずか1件だったということです。
その要因について県は登録によって得られるメリットが少なかったことや、周知のためのポスターの制作が制度の開始に間に合わなかったことなど、枠組みや進め方に課題があったことを認めました。
そのうえで、今後は店舗に直接、働きかけを行い、登録数を増やしたいとしています。
群馬県の政策をめぐっては、県内の温泉地で長期滞在する観光客を呼び込もうと、ことし7月から3泊4日の旅行商品の販売を始めましたが、利用件数は先月末までの4か月間で1件もなく、政策の実効性が問われる事態が続いています。

群馬県の廃棄物・リサイクル課は「新聞やテレビなどで広く周知していたが登録は増えなかった。県内ではすでにプラスチック製品の店頭回収などに積極的に取り組んでいる事業所が多くあるので、今後は、地道に登録に結びつけていきたい」と話しています。

群馬県がプラスチックごみ削減の取り組みを進めている背景には、県民のごみの排出量の多さや、リサイクル率の低さがあります。
環境省の調査によりますと、群馬県民一人が一日当たりに出すごみ全体の排出量は、令和3年度、968グラムで、全国平均を78グラム上回り、全国で9番目に多くなりました。
また、リサイクルされたごみの割合を示す「リサイクル率」は14.5%で全国で8番目に低くなっています。
群馬県は、脱炭素社会の実現に向けて2050年までにプラスチックごみをゼロにするという目標を掲げていて、県民への啓発活動を強めていきたいとしています。

利用件数が4か月間で1件もなかった旅行商品は、草津町やみなかみ町などの6つの旅館で、3泊4日を過ごす観光プランです。
普段過ごしている場所から離れてゆったりと過ごす休暇の過ごし方とされる「リトリート」を前面に出して群馬県が企画し、ことし7月から大手旅行サイトで販売していました。
県によりますと、サイト内には特集ページを作り、旅行雑誌にも広告を掲載するなど周知を図りましたが、販売された4か月間の予約は2件だけで、その2件も最終的にキャンセルされたため、1件も利用がありませんでした。
県は、販売開始から大手旅行サイトには3万件を超える閲覧があり「一定の関心を集めた」とする一方で、利用がなかった要因について予約ができる日程が少ないことや、プランで示されたスケジュールに自由度がなく、融通が利かなったことなどをあげています。